育休を取ると昇進や出世を諦めないといけない。
こういう意見をちょくちょく見ることがあります。
特に男性の場合で、育休を取ろうとするとそういう風に上司に脅されて育休取得を諦めたというような話もあります。
実際はどうなのでしょう?
ここでは実際に8ヶ月の男性育休を取得した私の実例も話しながら解説していきたいと思います。
この記事を読めば、そのような疑惑にどう対処すればいいかわかるようになるでしょう。
男性育休を8ヶ月取った私のケース
僕が勤めているのは国内の一部上場企業です。
かなり大きな会社と言ってもよいと思います。
そんな会社で自分で言うのもなんですが出世コースには乗っていました。
僕が男性育休を取ったのは次のステップへの昇進がかかわる年でもありました。
出世のことだけを考えるなら大人しく働いたほうが無難なお年頃。
周りで誰も取っていないような男性育休をわざわざ昇進がかかった年に取得するのは勇気が要りました。
結果はというと・・
僕のキャリアにはノーダメージ。復帰後も元気に昇進中。
ということになります。
僕は育休に入る少し前に昇進の通知を受け取りました。
というわけで昇進してその後に育休に入ったということになります。
つまり僕のケースでは男性育休の取得のせいで昇進できないということにはならなかったということです。
そして復帰後も相変わらず元気に昇進を続けております(笑)
つまり僕のキャリアに関していえば男性育休が阻害要因にはならなかったというのが結論です。
考察
僕のキャリアにノーダメージだった理由を少し会社の立場になって考えてみると次のようになると思います。
育休を取るかどうかはマジで関係がない
一番あり得るのがこれかなというところ。
実際昇進させるかどうかはそれまでの働きで評価されます。
僕の場合は査定の期間は通常通り働いていました。
そんなわけで普通に考えればその働きで昇進させるかどうかを決めるはず。
僕の場合はそれが単に合格点だったから昇進したという説です。
育休取得が関係あるとしたら昇進後の『配置』です。
普通は昇進してどこかに配置換えをするわけですが、僕はその時期は育休に入っていましたのでポストは据え置き。
異動の季節に休んでましたので、復帰後の異動タイミングで配置転換されました。
世の中の流れ的に男性育休取得者を落としづらい
もしかしたらあるかも?というのがこちら。
というか僕が昇進したということを知って、このように言った人もいたと聞きました。
男性育休にまつわる悲惨なエピソードとして出世できなくなったり左遷したりクビにしたりというものがあります。
そういう記事では決まって会社が悪。
育休を取った見せしめにしたというわけですね。
そういう風潮はたしかにあるので、会社としてもこれから育休を取るという男性には多少の忖度はあるかも、ということです。
僕自身そういう側面はあまりないんじゃないかと感じます。
どちらかというと、これからワークライフバランスを重視する男性像として会社のロールモデルになってほしい、みたいな扱いになるとかはありそう。
僕自身は過去これまでもロールモデルとして扱われるキャラでは全くなかったのでそれもなさそうかなと・・
本人が上昇志向を持っていたから
続いてはこちら。
仮説として僕は一時的に職場を離れるだけで戻ってきたらまたバリバリ働きたいから、説です。
育休と言っても取る理由は色々あります。
母子にどうしてもサポートが必要で、男性が育休を取らざるを得ないようなケースはあると思います。
そういうわけで一時的に職場は離れるけれども、気持ちはその後もバリバリやりたいから昇進させておくというのはあるかもしれません。
ちなみに僕の場合は別に偉くならなくてもいいや、と思っていましたし、それを会社にも言っていました。
僕の感覚では、働いていない期間が評価されようはないし、その結果会社の同期に遅れを取っても仕方ないよな〜と思っていました。
なので男性育休を取るのはすごく勇気が要りましたが、取ってしまえば別に特別扱いしてほしいとかは全くありませんでした。
そういうわけで僕の場合はこれには当てはまらなかったです。
ワタシの能力を高く買っていたから
最後にこれ。
休む人は会社に取って必要不可欠な人材だから育休を取ろうが取らまいが昇進させる説。
まぁこれに関しても僕は当てはまりません(笑)
そんな特別扱いしてもらえるような能力ありませんから。
世間的にはもしかしたらあるかもね、程度な話です。
僕の場合は間違いなく最初のやつで、育休の有無が評価に優劣を与えないというやつだと思っています。
大事なのは昇進とポストを分けて考えること
ここまでの話としてまとめますと大事なのは昇進とポストを分けて考えることだと思います。
僕の場合は階級は上がったけど、育休のせいでポストは据え置きでした。
そもそもポストを換えるときに休んでますからね。
ここはおそらく会社によって違いがあるところだと思います。
日本企業に一番多いのが階級が上がることでポストが上がるというやり方です。
階級が上がったから課長になった、部長になったというやつです。
これは階級とポストが連動しているため、育休によってポストが換えられないなら階級も据え置きになりそうなイメージがあります。
しかし実際は僕の会社のように階級は上がってポストは据え置きということが起きたわけです。
これまで階級とポストはセットで上がっていくもんだと思いこんでいましたが、実はそんなことなかったんです。
たとえば階級という概念がなく、ポストによって給料が変わる会社の場合は、育休によってポスト換えがどうなるのかが大事なわけです。
一方で給料は階級だけで決まり、ポストはそれと一応連動はしているけれども完全ではないようなケース。
これはちょっと注意して見たほうがいいですね。
とはいえ会社人生が全てじゃない
ここまでは勤めている会社における昇進について考えてみました。
しかし一方でどうでしょう?
そんなに会社での昇進て大事でしょうか?
大事な人もいると思います。
なんなら出世第一だ〜という方もいますよね。
ただ僕の考え方としては
そんな程度で出世コースから外れる会社なんてクソ食らえ!
なんです。
僕も実際男性育休を取るにあたっては出世コースから外れることは覚悟しました。
でも同時にそれで外れるならしゃーないかというか、こっちから願い下げだくらいの気持ちもありました。
それに、そのせいで会社にいられなくなったとしても他の仕事探せばいいかというふうにも考えていました。
そもそも今の時代に男性育休で冷や飯を食わせるような会社なら長くいてもしゃーないです。
それは明確に社員を大切にはしていないですからね。
でも中にはよそで働くという選択肢自体が選べない人もいると思います。
しかし、それもその選べない環境に身を置かないといけない能力のせいだと思います。
だから男性育休を取れないのは会社が悪い、というのはまずは正しいですが、二次的にはそれで泣き寝入りをするしかない能力の問題でもあります。
どこでもやっていける能力があればそんなことで悩まないですからね。
実際に京大の友人が勤めているような会社だと、男性育休なんてみんな当たり前に取ってるけど?という印象です。
優秀な人材の場合は社員側が会社を選べるので、会社も必然的にそういう制度を整えてくるようです。
そう考えると男性育休を取れるかどうかは子どもが産まれるずっと前に決まっているのかもしれません。
だから子どもが産まれるかどうかによらず勉強はすべきだし、育休中であっても勉強は続けるべきだとやっぱり思います。
能力も磨かず、男性育休を取れないと嘆くのは別にいいとは思いますが、自己責任な面もあるようには思います。
もちろん男性育休を拒否することに賛同するわけではないです。
誰しも育休を取れる世の中になったほうがいいのは当然ですが、現状を踏まえると能力を鍛えておくに越したことはありません。
がんばっていきましょう。
それではよい育休ライフを!
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