色々と偉そうに語っていますが、実は男性育休を開始して2週間で育休そのもの、いや夫婦関係自体がぶっ壊れそうになるような大失敗がありました。
『育休=育児するパパ』という思い込みが自分にもあって、それが大きな夫婦の亀裂を生むことになったのです。
恥ずかしながらその失敗経験からお話していくことにします。
イメージで突っ走ると大けがする
みなさん男性育休と聞いたらどんな姿をイメージしますか?
おそらく「子ども」を「育児」しているシーンが思い浮かぶと思います。
はい、僕もそうでした。
しかし夫婦揃って育休を取る場合は、自分の力を振り向ける相手は子どもだけではなくて奥さんもいますし、やることだって育児だけではなく家事もあります。
育休という言葉は大体子どもと育児しか想起しないという点で問題があると僕は考えています。
しかし実態としては登場人物はママ・パパ・子、タスクは家事と育児があるわけですから、それを”誰がどれをやるのか”ということを決める必要があります。
実は僕自身の失敗談として男性育休を家事と育児を夫婦でちょうど半分こすることで始めたというものがあります。
つまりそれぞれが子どもの面倒も見るし、お互いの家事もやるということです。
しかし、開始2週間で朝の5時まで大げんかすることになります。
妻がキレたポイント
妻が不満だった点をまとめると次のようになります。
- 夫の作業の品質の悪さが目につく
- 赤ちゃんの世話をしたいのに夫の世話をする時間がわずらわしい
- 夫に赤ちゃんを預けている時間も心配で休まらない
- 夜中の授乳に起きないし起きてもダルそうにしているだけ
- それなのに本人はやった気になっている
順番に詳しく説明していきます。
夫の作業の品質の悪さが目につく
まず僕のやる仕事は妻がやるときに比べて家事も育児もクオリティが低いということでした。
たとえば洗濯物を畳んでも角がくちゃくちゃになっていたり、赤ちゃんの哺乳瓶でも水滴が残っていたりとそういうのがめちゃくちゃ気になったようです。
(僕はそういうの気にならないんです・・)
結局僕のプライドが傷つかないように僕の知らないところでやり直しをしていたこともあるらしく、そういう不満が溜まっていたようです。(当然キレイにやり直ししてくれたことにも気づかないどころか、やったった感すら出している僕)
夫の世話をする時間がわずらわしい
次に「なぜ赤ちゃんの世話をする時間を削って旦那の世話をしないといけないのか」という不満です。
家事も半々にすると、当然大人の食事や洗濯の分担も半々になります。
妻はそれをやっているときに、「赤ちゃんの世話をしたいのに」と寝ている僕の顔を見てイライラしてきたそうです。
産後のママの多くは自分のことすら後回しにして赤ちゃんの世話をしようとします。
そんな中、「なんで旦那の世話までしないといけないのか?」と思ってしまうのでしょう。
夫に赤ちゃんを預けている時間も心配で休まらない
そして赤ちゃんの世話も分担すると僕が赤ちゃんを見るターンがあります。
僕が赤ちゃんを預かっている間でもきちんと世話ができているか不安で安心できないということも言っていました。
新生児はふとんを顔にかぶって窒息したり、暑かったり寒かったりで重大な事故になる可能性があります。
それには細かい注意が必要なわけですが、当然そんなものは僕になく・・
僕はひとしきりチェックが終われば満足していましたが、妻は寝るに眠れない日々を過ごしていたようです。
夜中の授乳に起きないし起きてもダルそうにしているだけ
最後は授乳の問題です。
新生児は胃袋の容量が小さいので1〜2時間に一度ペースで目を覚まします。
僕も頑張って夜中にも起きようとはしていましたが、我が家は完母だったこともあってそんなに僕にできることはありません。
なんてったって赤ちゃんはおっぱいを30分から1時間くわえているわけですから僕にできることなんてほとんどないわけです。(あるのに気づかないのかもしれませんがこれはこれでマズイ・・)
そんなわけで起きなかったり、起きても眠そうにしていたりしていたことも怒りの一因だったように思います。
それなのに本人はやった気になっている
恐らくこれが一番やばかったと思うのですが、どれもこれも密かに(?)妻の逆鱗に触れ続けていたにも関わらず僕自身は立派にイクメンやってる風を気取っていたのです。
妻から見るとこれが一番腹がたったそうです。
以上が妻の不満です。
心身ともに疲れ切っていると拍車がかかる
今から考えたらどれも”さもありなん””という感じですが、当時の僕としてはできることを一生懸命やっているつもりだったので一歩も譲らず大炎上。
お互いに言ってはいけない一線を余裕で超え合ってしまいます。
子どもが産まれるまでにそんなことはほとんどなかったのですが、体力的にも精神的にも疲れ切っていたんだと思います。
夫婦ふたりで取り組んでもここまで追い込まれるのが新生児の育児。
ましてやワンオペ育児の場合はこれの比ではないのではないでしょうか。
産後にできた夫婦間の溝がそのまま一生続いてしまうことも多いと言います。
せっかく二人の幸せの象徴である子どもをきっかけに夫婦が遠のいてしまうとはなんという悲劇でしょうか。
僕たち夫婦もついに育休返上、いや将来単身赴任の機会があればそっちのほうがマシというような話にまでなってしまったのでした。
話し合いの末に
さて、そのまま朝の5時まで話し合いをしました。
怒りをぶつけあっていても何時間も続くものではないようです。
なぜ待望の子どもを授かれたのにこんなに罵り合っているのか?とふと冷静になり、そこからどうしていけばよいかをたくさん話し合いました。
その結果、まず完母で育てていく限りは二人で夜中起きることはとても効率が悪いということになりました。
したがって、授乳からの寝かしつけという赤ちゃんの生活の根幹は妻が全面的に担当し、僕は代わりに妻が朝起きたときにすぐ食事を出せるように準備したり、産後ボロボロの体で荷物を持たなくていいように僕が洗濯をしたり運んだりするという分担にしました。
妻は育児メイン、夫は家事メインという分担の始まりです。 これは登場人物に当てはめるなら、妻は子の面倒を見る、夫は妻の面倒を見るという構造になるわけです。
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