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『これからは男性も育児でしょ』も立派なアンコンシャスバイアスだと思う話

男性育休ライターでファイナンシャルプランナーの『ズボラ夫』と申します。

僕は2020年に8ヶ月の男性育休を取得しました。

このブログでは男性育休に関するノウハウ日本一を目指し、文庫本5冊分のノウハウを無料で公開しています。

単に苦しい育児で終わらせるのではなく、『楽しい育児』、『スキルアップする育休』を体現。

おかげで毎日料理を作りながら、英語も話せるようになり、プログラミングもできるようになりました。

また育休中に始めた株式投資でも200万円を超える含み益を得ることができ、収入面でも大きくプラスにすることができました。

少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

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『女性は育児。男性は仕事』

この考え自体がもう過去の遺物であることには疑いがない。

しかしそれに取って代わる次の考え方。

『これからの時代は男性も育児でしょ』

これに異論を唱える人も少ないように思う。

少なくとも公の場で言う人はほとんどいないだろう。

しかし少なくとも男性育休を8ヶ月取った僕からするとこの考え方自体も立派なアンコンシャスバイアス、つまり無意識の思い込み、偏見だと強く感じた。

そしてこのアンコンシャスバイアスがより男性育休の促進を阻害しているようにも思う。

『男性が育児』という考えがなぜ逆に男性育休を阻害するのか?

直感的にはこのように感じる方も多いのではないかと思うが、今日はそういう話を書いていきたいと思う。

男性育休で男が真に役立つシーンは育児ではなく家事だった

僕は男性育休を取って一番失敗だったと思うこと、それは必要以上に育児をやろうとしたこと、そして成功したと思うことは、家事をすることにシフトしたことだ。

この『必要以上に育児をやろうとした』原因は今から思えば『これからの時代は男性も育児』という考え方のせいに思う。

当時男性でまだ珍しい育休を取ろうとした僕は多分に漏れず

これからの時代は男性も育児だ

と疑いもなく思っていた一人だ。

そしてそのまま育休に突入し、ハッキリ言って妻の育児の邪魔をした。

当の妻に邪魔だと言われたのだから間違いない。

本人はよかれと思ってやったこと、やられた当人からすると邪魔だと感じる。

それはある意味最も罪深いかもしれない。

そこから夫婦で長時間話し合い、僕は育児は妻に任せて家事を頑張ることになった。

家事の中でも特に料理を必死に頑張り、毎日3食作った。

13年間の一人暮らしで10回も自炊をしたことがなかったにも関わらず、育休開始から半年間は妻をキッチンに立たせなかった。

これは本当に感謝された。

邪魔だと言われた育児、感謝された家事

家事と育児。どっちも僕なりには頑張ったつもり。

しかし育児は邪魔だと言われ、家事は感謝された

なぜだろうか。

一番の理由はこと母乳メインの新生児育児に関しては男ができることがほとんどなかったから。

実際生まれて間もない我が子は、お腹がすいてはおっぱいを求め、満たされたら寝ていた。

正直赤子には父親はおろか母親という感覚すらないであろう。

ただ栄養をくれる存在でしかなかったんではないかとすら思う。

説明するまでもなく僕はおっぱいが出ない。

おっぱいが出ない僕は全然やることがなかった。

新生児は1時間以上おっぱいを吸っていることもざらだった。

もちろん授乳前後の準備や片づけというものはあるが、授乳している間はそんなにやることがない。

しかし育休を取って何もやらないのはマズイという強迫観念から、やらなくていいことをいっぱいやったわけ。

たとえば、きちんと吸えてるか見たり、電気を照らしたり。

そして夜中に何回も授乳させるわけで、だんだん起きれなくなっていった。

起きてもやることがないので頑張って起きることがゴールになっていた。

で、起きたときはやらなくていいことをやっていた。

日中は眠くて意識朦朧としていた。

3週間くらい経ったところで妻がキレた。

もうお前は起きなくていい。産後で動くの辛いから代わりに朝から家事やってくれ。

これが大きな転換点となる。

そこから僕は夜通し寝て、朝6時に起きて掃除洗濯、料理をするようになった。

育児はおむつ交換や沐浴は一緒にやったが、授乳→寝かしつけの部分は完全に託した。

こういう役割分担を始めてから面白いようにうまく回り始めた。

誰か『これからの時代は男性も家事と育児だ』と言っておいてくれたらもう少し早めに気づけたかもしれない。

しかし僕は男性育休=男の育児とばかり思い込んでえらく遠回りをしてしまった。

新生児の育児でできることがないから育休は取らない

こういうことを言っている新米パパに何人も会ったことがある。

そして、僕は育休中にも

育休取ってもあんまりやれることなくない?

とよく言われた。

これも根底には『男性=育児』という考えがあって、絶対に家事は頭にないよね。

これも『これからの時代は男性も家事と育児だ』と言っておいてくれたら回避できたかもしれないのにね。

育児の役に立たない旦那にイラつく妻たち

僕は異常なまでの調べ魔なので、男性育休の記事は毎日ほぼ全部チェックしている。

すると、育児ができない男性にイライラする奥さんを取り上げて男性をバカにする芸風の記事がちらほらある。

Yahoo!ニュース
Yahoo!ニュースは、新聞・通信社が配信するニュースのほか、映像、雑誌や個人の書き手が執筆する記事など多種多様なニュースを掲載しています。

もちろん中には本当のクズ夫もたくさんいるとは思う。

一方で『これからの時代は男性も育児だ』の犠牲者も少なくないのでは?と感じる。

実際僕は育休で育児をやろうと息巻いて、そしてやれることがなくて途方に暮れた。

僕の場合はここで家事へ方向転換できたわけだが、できなかったら全てを放棄してしまってもおかしくない。

『これからの時代は男性も家事と育児だ』

と言ってもらえたら方向転換ができたかもしれないのに、『これからの時代は男性も育児』という思い込みのせいでやることがなくなり途方に暮れる。

『これからの時代は男性も育児』は育児という意識しか与えない。

まさにアンコンシャスバイアスといって差し支えがないであろう。

僕の能力が低いから育児の役に立たなかった?

いやいや、デキる夫なら育児でもいくらでもできることあるよ

そんな声が聞こえてきそうだ。

そうね。実際僕は人よりも家事も育児も能力が低い。

物言わぬ赤子が何をしてほしいか、妻は敏感に察知していたし、それを言語化して説明もしてくれたが僕にはさっぱりわからなかった。

家事にも視力というものがどうやらあって、僕は視力にして0.1以下。

なんも見通せなかった。

それを人は能力が低いと言う。特に異論はない。

ただし、ネットを見ていると僕ほどでないにせよ世間には能力が低い男性が多いのではないかしら?

もしそうだとしたら『能力が低いから悪い』といっていてもなんの解決にもならんのよ。

わかりやすい例で示そう。

ラクラク京大に受かった僕からすると、世間の人たちは勉強の能力が低すぎる。

ハッキリ言ってなんでこんな簡単なことができないのか不思議なレベルだ。

でも社会生活をしているとそういう人たちと一緒に過ごすことになる。

で、頭が悪いやつと一緒にいるとダメだ。
まずその頭をなんとかしてくれ。話はそれからだ。

とか言ってたらどうだろう。

言っていることは正しいかもしれないが、誰しも頭がよくなれないわけなのでなんの解決にもならないことは明らかだろう。

全く同じ理由で家事や育児の能力が低い男性を断罪するのは全くもって正しいとは思うが、話は1ミリも前に進まない。

能力が低い、そして魔法でも使わない限りすぐ改善できないなら、もう話はそれを前提に回る仕組みを考えないとダメでしょ。

育児より家事をやったほうがいい最大の理由

育児より家事をやったほうがいいと考える最大の理由がある。

それは家事スキルのほうが一生使えるからだ。

おむつ交換、沐浴、離乳食、寝かしつけ。

これらは仮に習得しても使えるのはせいぜい数年、下手したら半年で使わなくなるものばかり。

一方で掃除洗濯料理。

死ぬまでずっとやる必要がある。

どっちを身に着けたほうが長く役に立つかは議論をするまでもない。

育休を取ればいつかは働きに戻る。

そして育休期間よりもその後働く期間の方長い。

それだったらおむつ交換のプロ、寝かしつけのプロになるより料理作れたほうが良くないですか?

しかし昨今の男性育休の議論を見ても、こういう家事と育児のどちらをやるべきかという意見を僕は見たことがない。

言うまでもなく育休とは職場復帰を前提とした制度であるにも関わらず、どうやって復帰するのかという話も見たことがない。

ただ単に”どうやって休ませるか”の話しかしていないのが男性育休の現状なのだ。

これも『これからの時代は男性も育児』という考え方が邪魔をしているとも言える。

まとめ

いかがだっただろうか。

『これからの時代は男性も育児』という考え方を『これからの時代は男性も家事育児』に変えたほうがいいということ。

そして『育児より家事をやったほうが長い目で見ると役に立つ』という観点を持つべき理由を述べてきた。

ちなみにこの主張の裏付けとして、自分のサイトで先輩ママさんたちに家事と育児どっちをやってほしいか?と聞いたところ、実に8割以上のママさんが家事と答えている。

時間がある人は男性育休の賛否の記事を見てもらえればわかるが、当事者のママは家事と育児どっちの課題も挙げている。

一方で外野の意見はほとんどが育児をどうするか?というところに終始しているケースが多いことに気がつくと思う。

こういう考え方もあるんだということも踏まえ、ジャッジしていただければと思う。

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